がんを知ろう

がんとは、悪性の腫瘍です。放置すると徐々に大きくなり、他の臓器に転移を来たして命取りになってしまいます。がんは、元々私たち自身の細胞から出来ます。私たちの身体には60兆個の細胞があり、その中には2万個の遺伝子(すなわち設計図)が入っていますが、がんは遺伝子の異常によっておこる病気です。がん遺伝子には、がんを引き起こすアクセル役とがん化を防ぐブレーキ役があり、遺伝子の異常が積み重なるとがんになってしまいます。稀には、遺伝的にがんになりやすい家系もありますが、大半のがんは日常生活と加齢のために遺伝子に傷がつくことによってできると考えられます。すなわち、私たちは誰でもがんになる可能性があります。 現在、日本人は男女とも2人のうちひとりががんになります。しかしながら、がんは小さいうち(早期)にはまったく自覚症状がありません。そこで、日常生活におけるがん予防とがん検診による早期発見・早期治療が重要です。

がんの予防法

国立がん研究センター がん予防・検診研究センターがん予防研究部が提唱した科学的根拠に基づくがん予防とは以下の通りです。

1.喫煙 たばこは吸わない、他人のたばこの煙をできるだけ避ける
2.飲酒 飲むなら節度のある飲酒を
・日本酒なら1合
・ビールなら大瓶1本
・焼酎や泡盛なら1合の2/3
・ウイスキーやブランデーならダブル1杯
・ワインならボトル1/3
飲まない人、飲めない人は無理に飲まない
3.食事 偏らずバランスよくとる、塩蔵食品、食塩の摂取は最小限に、野菜や果物不足にならない、飲食物を熱い状態で取らない
4.身体活動 日常生活を活動的に
5.体型 適正な範囲内に
BMI(体重kg÷身長m÷身長m)を中高年男性では21~27、中高年女性では19~25に
6.感染 肝炎ウイルス感染検査と適切な措置を

がん検診とは?

がん検診の目的は、がんで命を落とす危険を減らすことです。そこで、市町では、現在そのがんによる死亡率が高く、受ければ効果が確実な5つのがん検診 (胃・大腸・肺・乳・子宮頸がん検診)に対して検診を実施しています。一方で、見つけても治療が出来ないがんや、放置しても命取りにならないような特殊ながん(例えば甲状腺がんや前立腺がんの一部)はがん検診の対象となりません。 皆さんは、「検査」と「がん検診」の違いをご存知でしょうか?

検査

自覚症状がある場合には、病院等でその原因を調べます。原因が明らかになるまで徹底的に詳しく調べますので、その方法は人によって異なります。

がん検診

がん検診は本来、自覚症状が無い人が受けるものです。安くて簡単、安全で大人数に実施可能な方法で、がんがないかどうか、ふるいにかけます。これをスクリーニング検査と言いますが、すべての人に同じ方法で行います。スクリーニング検査で疑わしい場合には、精密検査で「本当にがんかどうか」を調べます。

がん検診の利点と欠点

がん検診を受けると、がんで死亡する危険性が減るだけでなく、 医療費が安く済み、臓器や身体の機能を失うことなく治すことができます。 しかしながら、一方でがん検診にも欠点があることをご理解下さい。

  1. がんの見逃し
  2. 放っておいても余り進行しない(命に影響しない)がんを見つけてしまう。
    過剰診断:乳がん胃がん・大腸がん検診で一部に見られます
  3. 「精密検査を要する」との通知による精神的苦痛
    最近では、この精神的苦痛に配慮することがとても重要と考えられるようになって来ました。

がん検診の結果判定が変わりました

出来るだけがんを見逃さないように配慮しつつ、片っ端から精密検査の通知を出して皆様に無用の心配をかけないように、 精密検査の判定を相当に絞り込むようになりました。例えば胃ポリープ等の病変があっても、がんの疑いがなければ要精密検査としません。 そこで、手遅れのがんにならないよう、皆様にもご協力をお願いします。

  • 毎年(胃がん・乳がん・子宮頸がん検診では1年おき)検診を受ける
  • 要精密検査の通知が届いたら、必ず精密検査を受ける。
  • がん検診で異常なしであっても、これまでにない自覚症状(乳房のしこりや不正出血、肛門からの出血等)が出現した場合には、医療機関で検査を受けること。

※自覚症状がある場合には「がん検診」ではなく、最初から病院等での「検査」を受けてください。



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