がんを知ろう

2021.1.22 大腸がん検診の重要性(いきいき健康だより連載記事)

いきいき健康だよりに掲載された松田一夫医師のコラムです

いきいき健康だより第49号掲載

2020.10.15 大腸がん検診の重要性(いきいき健康だより連載記事)

いきいき健康だよりに掲載された松田一夫医師のコラムです

いきいき健康だより第48号掲載

2020.10.15 採便の保管「できれば冷蔵庫で」~大腸がん発見へ重要な便潜血検査~

9月10日に福井新聞に掲載された大腸がん検診に関する記事(松田一夫医師への取材記事)です

2020.7.20 大腸がん検診の重要性(いきいき健康だより連載記事)

いきいき健康だよりに掲載された松田一夫医師のコラムです

いきいき健康だより第47号掲載

2020.7.2 がん検診について(新聞連載記事)

毎日新聞(福井版)で連載されている松田一夫医師のコラムです

毎日新聞(福井版)令和2年7月2日掲載

2020.6.5 がん検診について(新聞連載記事)

毎日新聞(福井版)で連載されている松田一夫医師のコラムです

毎日新聞(福井版)令和2年6月4日掲載

2020.5.12 がん検診について(新聞連載記事)

毎日新聞(福井版)で連載されている松田一夫医師のコラムです

毎日新聞(福井版)令和2年5月8日掲載

2020.5.8 大腸がん検診の重要性(いきいき健康だより連載記事)

いきいき健康だよりに掲載された松田一夫医師のコラムです

いきいき健康だより第46号掲載

2020.4.28 がん検診について(新聞連載記事)

毎日新聞で連載されている松田一夫医師のコラムおよび解説記事です

毎日新聞(福井版)令和2年3月5日掲載

毎日新聞(福井版)令和2年4月2日掲載

毎日新聞(全国版)令和2年4月2日掲載

2020.2.29 がん検診について(新聞連載記事)

毎日新聞(福井版)で連載されていた松田一夫医師のコラムです

毎日新聞(福井版)令和元年10月3日掲載

毎日新聞(福井版)令和元年11月7日掲載

毎日新聞(福井版)令和元年12月5日掲載

毎日新聞(福井版)令和2年1月9日掲載

毎日新聞(福井版)令和2年2月6日掲載

2017.12.22 なぜ日本の大腸がん死亡は増え続け,米国では減っているのか?

  以前と違って現在では、日本人の食生活と大腸がんとはほとんど関係がありません。大腸がんの危険因子は加齢、飲酒、肥満、喫煙であり、運動により危険性が減ります。

  大腸がんは治りやすいがんの代表です。早期の大腸がんであればほぼ100%治り、リンパ節に転移しても(Ⅲ期)胃がんより治りますが、肝臓や肺に転移すると治る可能性は極めて低くなります。日本では今なお大腸がんによる死亡者数が増え続けている原因は、日本が世界一の長寿であること、胃がんと比べて大腸がんの発見が遅いことです(図1)。検診によって大腸がんを早期発見することが重要です。

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  便潜血検査による大腸がん検診を受けると大腸がんによる死亡の危険が60~80%減ります。また、大腸がん検診を繰り返し受ければ、浸潤大腸がん(ごく早期の粘膜内がんを除いたもの)の約8割を見つけられます。仮に便潜血が陰性であったために大腸がんの発見が遅れたとしても、検診を受けない人から見つかった大腸がんよりも治りやすいので心配いりません。

  国民生活基礎調査によると、2016年の大腸がん検診受診率は全国平均で41.4%、福井県でも43.7%に過ぎません。さらに、便潜血陽性になっても市町の検診で3割弱、職場の検診では半数以上の人が大腸内視鏡による精密検査を受けていません。一方で米国では大腸がん検診受診率は60%を超え、検診方法の大半は10年に1回の全大腸内視鏡検査です。その結果、米国の大腸がん死亡者数は以前より着実に減り、2017年の大腸がん死亡者数予測は50,260人で日本の53,000人を下回っています(図2)。日本の人口が米国の4割に過ぎないことを考えれば、これは極めて異常な事態です。大腸がん検診に対する日米の取り組みの差が如実に表れています。

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  生活習慣に気を付ければ大腸がんに罹る危険を減らすことができますが、危険をゼロにすることはできません。大腸がん検診が重要です。便潜血検査による大腸がん検診の効果は確実ですから、是非とも多くの人々に受けていただきたいと思います。便潜血が陽性となった場合には、精密検査を受けることを忘れないでください。将来は日本の大腸がん検診も、便潜血検査に一生に1回の内視鏡検査が追加されるかも知れません。大腸がんは予防でき、早期発見・早期治療できる治りやすいがんです。大腸がんで命を落とすのは損です。

2017.10.5 乳がん検診の精度管理

  現在、市町村ではがん死亡率を減少する有効ながん検診として5つのがん検診が実施されています(表1)。これらは公共的な医療サービスであり、公的資金を使用して、一定の年齢範囲の住民が平等に受診することができ、対策型検診といわれています。ただし、実際にがん検診によりがん死亡を減少させるためには、より多くの人が受診するための受診率対策と、がん検診の精度を改善・維持するための精度管理体制が必須です。

  精度管理体制の中でも乳がん検診は日本乳がん検診精度管理機構により精度管理が徹底されており、規定されたマンモグラフィー撮影機器、資格を有するレントゲン技師、資格を有する医師による二重読影によって、日本全国どこで乳がん検診を受けても、同じ精度の検診を受けられるようになっています(表2)。この精度を保持するためにマンモグラフィー機器、レントゲン技師、読影医師ともに資格取得後にも、資格の更新試験が行われています。私もマンモグラフィーの読影資格を持っていますが、先日、大阪でこの更新試験を受けてきました。この時の試験では49名の受験者のうち、合格したのは12名のみでした。不合格者は改めて勉強をした後に再試験を受けなければなりません。

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  皆さんに安心して、検診を受けていただけるように、厳しい精度管理がなされています。私も今後とも研鑽を続けていきたいと思っています。

2017.5.28 市町でのがん検診と職場でのがん検診

  がん検診は、市町の検診と職場で受ける検診とに大きく分けられます。

  まず市町が実施するがん検診は厚生労働省が定めており、現時点での検診方法と対象年齢・検診間隔は表の通りです。これら5つのがん検診は、いずれも「がん死亡を減らす効果」が確認されています。

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  一方、役所や会社にお勤めの方は人間ドック等としてがん検診を受けていますが、その内容は上の表とは異なり、様々な検診方法が用いられたり、若い人たちが受診したりしています。これは、職場でのがん検診には規定がなく、各職場や健康保険組合が独自の考え方でがん検診を行っているためです。

  しかし、がん検診には利益のみならず不利益を伴います。新しいがん検診方法の採用、若い年齢からのがん検診の開始、乳がん検診を2年に1回ではなく毎年受けるようにすると、不利益が利益を上回ってしまうかもしれません。厚生労働省「がん検診のあり方に関する検討会」で今年中に『職域におけるがん検診ガイドライン』を作成することになっていますので、今後は職場におけるがん検診は全国で統一されると思います。

  がんによる死亡(特に早死)を減らすには、会社等に勤めているか否か、勤めている会社等の規模に関係なく、すべての人々が本当に効果のあるがん検診を受けられるような体制が必要です。今後、日本でも整備を急ぎます。現時点では、職場でがん検診を受けられない人は、是非、家族や友人を誘って市町のがん検診を受けてください。

2016.5.10 平成28年度より乳がん検診と胃がん検診が変わります

  現在、乳がん検診は40歳以上の女性を対象に、2年に1回の視触診とマンモグラフィの併用検診が行われていますが、マンモグラフィによる検診が原則となり、視触診は必須ではなくなります。ただし、対象年齢は40歳以上、検診間隔も2年で現在とは変わりません。また、個別検診では、受診者が希望する場合には視触診も行います。

  変更の理由としては、

  ①マンモグラフィ単独検診による有効性が認められていること

  ②視触診のみで発見される乳がんは多くはないこと

  ③担当医の確保と高い精度を保つのが困難

  であるためです。

  診療現場で一般に行われている超音波検査については、マンモグラフィ単独検査に比べて感度及びがん発見率が優れているという研究結果が得られており、将来的にはがん検診として導入される可能性がありますが、以下の理由から超音波検査の導入は今回の改定からは見送られました。

  ①要精検率が高いこと

  ②検診により乳がん死亡者数が減るかどうか明らかでないこと

  ③超音波検査技師や医師の確保など検診体制が未整備であること

  日本では年間8万人以上が乳がんにかかり(平成23 年地域がん登録全国推計)、1.3 万人以上が乳がんによって死亡(平成25 年人口動態統計)しています。乳がんで亡くなる人を減らすために、マンモグラフィ検診をぜひ受けてください。ただし、マンモグラフィ検査ですべての乳がんを見つけることはできません。しこりや乳頭からの血性分泌など症状がある方は検診ではなく乳腺外来を受診してください。

  現在、胃がん検診は40歳以上の人たちを対象に、年1回の問診及び胃部エックス線検査により行われていますが、平成28年度からは50歳以上を対象に、胃部エックス線検査か胃内視鏡検査で行われます。また検診間隔は2年に1度となります。

  変更の理由としては、

  ①胃がん検診が導入された昭和58年当時に比べ、平成23年には40歳代で胃がんと診断される人の割合は1/2、平成25年に亡くなった人の割合は約1/5に減少していること

  ②胃がんの原因とされるピロリ菌の感染率が減少傾向にあり、特に若い世代の40歳代の感染率は、1990年代は約60%であったが、2010年代は20%程度と減少が著しいこと

  ③日常診療で広く行われている胃内視鏡検査には胃部エックス線検査と同等以上の胃がん死亡を減らす効果があるとする研究結果が得られたこと

  などが挙げられています。

  ただし、胃部エックス線検査は当分の間、40歳代の者に対して逐年で実施してもよいとされました。現在でも日本人は胃がんに、年間13 万人以上が罹患(平成23 年地域がん登録全国推計、がんの第1位)し、4.8 万人以上が死亡(平成25 年人口動態統計、肺がんに次いで第2位)しています。胃がん検診には胃部エックス線検査に伴う被曝や胃内視鏡検査に伴う穿孔や出血等の偶発症等の不利益もありますが、50歳以上の日本人では胃がん死亡が減るなどの利益の方がずっと高いと考えられるため、多くの人に胃がん検診を受けていただきたいと思います。

2016.1.14 過剰診断がんとは

  がん検診の目的は死亡率および罹患率が高いがんを早期発見・早期治療して、がん死亡の危険性を減らすものです。

  ただし、早期発見・治療しなくても命に影響しないがんが一部にあります。これらを過剰診断がんと呼びます。

  韓国では近年、がん検診受診率が飛躍的に高くなり日本をはるかに超えていますが、その精度管理には問題があります。

  超音波による甲状腺がん検診が広く行われた結果、2011年の甲状腺がん診断が1993年の15倍に増え韓国のがん罹患の第1位ですが、甲状腺がん死亡はまったく増えていません。

  2011年の甲状腺がんの診断数は死亡数の100倍以上にも上ります。

  すなわち超音波で発見された甲状腺がんの大半が過剰診断で、甲状腺がん検診は無用です。

  タレントの北斗 晶さんが乳がんになったことを告白した後、マンモグラフィの希望者が急増しています。

  マンモグラフィでは触診ではわからないごく早期の乳がん(非浸潤性乳管がん)が多く発見されますが、その一部に過剰診断があると考えられています。

  米国ではこれらに対して「乳がんと呼ばないで」と言うくらいです。他にPSAという血液検査で発見される前立腺がんや胸部CTで発見される肺がんにも過剰診断がみられます。

  がん検診で過剰診断せずに本当に治療が必要ながんのみを発見することは不可能ですが、最近では過剰診断ががん検診の大きな問題と認識されるようになりました。

  過剰診断の少ないがん検診の方法および判定法が必要です。

  また肺がんではすでに一般的ですが、今後は,ごく早期の乳がんが発見された場合でもすぐ手術せずに厳重に経過観察することもありそうです。

ポイント

- がん検診には、一部に過剰診断(治療不要ながんの発見)があります。

- 今後は過剰診断の少ない、「受けて良かった」と思っていただけるがん検診に努めて参ります。 

がんを知ろう

2015.10.27 乳がん検診の偽陰性:見逃しについて

  マンモグラフィー検診を受けることでしこりとして触れないような、より小さながんも発見が可能です。

  しかし、検診さえ受けていれば安心というわけではありません。残念ながら検診では100%のがんをみつけることができるわけではありません。

  がんのしこりはマンモグラフィーで白く写りますが、若年者やマンモグラフィーで真っ白に写る発達した乳腺を持つ方ではがんが乳腺と重なって分からないことがあります。

  また、しこりの場所が乳房の上内側や辺縁などにあるためにしこりがフィルムに入らない場合や、乳頭付近や下側にある場合には乳腺が重なって、診断が難しいこともあります。

  さらに、成長の早いがんは検診で見つけることは困難ですし、意外と大きなしこりもフィルム上でしこりとして認識できずに見逃されてしまうことがあります。

  1989~2000年に宮城県でマンモグラフィーと視触診の併用検診を受けた延べ約11万2千人の検診後の追跡調査により乳腺が白く写りやすい40代の女性の場合、乳がんの3割が診断できなかったと報告されています。

  こうした検診の欠点を補うために40代女性に対して、超音波検査をマンモグラフィー検査に追加して行うことが有効かどうかの研究が現在行われており、その初期結果が平成27年11月に公表されました。

  診断できる乳がんの割合が77%から91%に上昇しており、今後、40代のマンモグラフィー検診に超音波検査が加わってくる可能性があります。

  しかし、どんな検診であっても全てのがんを見つけることはできません。検診で異常がなかった方も乳房の状態がいつもと違うことに気付いた時には、次の検診まで待つのではなく、乳腺外科を受診してください。

ポイント

- 乳がん検診で、全ての乳がんを見つけることはできません。

- 乳房の異常に気付いた時には乳腺外科を受診しましょう。

がんを知ろう

2015.7.24 あなたに「要精検」の通知が届いたら?

  がん検診を受けて「要精検」の通知が届いたら、皆さん、どう思われますか?

  1.自覚症状もないし、精密検査を受ける必要はないさ。

  2.えー、がんか?手遅れか?もう死んでしまうのかな?どうしよう?

  3.良い機会だから、安心のために精密検査を受けよう。早期発見・早期治療すれば、治ると聞いたし。

  2番目の様な受け止め方をする人は極めて少ないかも知れません。ただし、がんではない人が“がんの疑いがあるから精密検査を受けるよう”通知を受け取ること(これを偽陽性と呼びます)によって被る精神的苦痛、精密検査による苦痛・経済的負担や出血等の偶発症は、がん検診の重大な不利益だと、日本でも考えられるようになって来ました。

  そこで最近では、がんを見逃さないことはもちろん重要ですが、乳がんや肺がん検診では以前のフィルムとの比較によって、胃がん検診ではポリープ等の明らかな良性病変を精検対象から除外することによって、出来るだけ要精検率を引き下げるようにしています。

  ちなみに2013年に福井県内で実施されたがん検診(集団検診+個別検診)で要精検となる 割合と要精検となった人からがんが発見される割合は

  - 胃がん検診:8.6%→その中からがん発見は1/57

  - 大腸がん検診:5.3%→1/26

  - 肺がん検診:4.8%→1/41

  - 乳がん検診:8.1%→1/22

  - 子宮頸がん検診:1.3%→1/7

  「要精検」の通知が届くと、かなりの割合でがんが発見されることがおわかりになると思います。 

ポイント

- 以前よりは、要精検率が低くなりました(明らかな良性病変は要精検とはなりません)。

- 従って、要精検の通知が届いたら必ず精密検査を受けて下さい。 (要精検となった場合、以前よりはがんが発見される確率が高くなっています)

- がん検診は定期的に(胃・大腸・肺がんは毎年、乳・子宮頸がんは2年に1回)受けて下さい。

- 検診で異常なしであっても、その後に自覚症状(例えば、肛門出血や乳房のしこり)が出現した場合には、医療機関で検査を受けて下さい。

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2015.5.1 乳がん検診におけるマンモグラフィー撮影時の痛みについて

  現在、乳がん検診は40歳以上の女性に対して、2年に1回行うことになっています。乳がん検診で使われているマンモグラフィーにより、しこりとして触れることができない早期の乳がんでも診断することが可能です。

  しかし、乳がんのしこりと正常な乳腺組織はX線に対する性質が大変似ているために、レントゲン上、乳がんと正常組織の区別が大変付きにくくなっており、的確に乳がんを診断するためには高画質の画像を撮ることが必要です。

  そのためには乳腺を十分に伸展し、さらに十分に圧迫することが必要なのです。圧迫により乳腺の重なりがとれ、しっかり固定されてぶれがなくなり、しこりの形状や辺縁などを鮮明に映し出すことできます。

  しかも乳房の厚みが薄くなって被爆線量を少なくする効果もあります。機械は一定以上の圧力は乳房にかからないような設定になっていますので、心配しないで安心して受けてください。

  痛みを怖がったり、緊張して、腰が引けたりすると乳房の全体が写真に入らず、乳房の辺縁にあるがんがうつらず、がんの診断ができないこともあります。また緊張するとより痛く感じてしまいます。深呼吸をしてできるだけリラックスして受けてください。

  痛みがありましても可能な範囲内でがんばってみましょう。でも、あまりに痛い場合には、撮影をしている技師にその旨を伝えてください。乳房の押え方を変えてみるなど、痛くないように工夫してくれます。

  また圧迫の痛みを軽減するためには、乳房が張っていない生理が終わった頃に検診を受けるなど検診の時期を選ぶことも乳がん検診を受けるポイントの一つです。良好なマンモグラフィーを撮るために皆さまのご協力をお願いいたします。

ポイント

- 乳がん検診は、より良い画像を撮影するため、乳房を圧迫します

- 乳がん検診時にリラックスすることで良い写真が撮れ、痛みが和らぐことがあります

- 痛みを軽減するため、生理が終わった頃に乳がん検診を受けましょう

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